医療業界でIT化が進まない理由として、設備を導入する時に高額な費用がかかることが挙げられている。そのため、病院の経営を圧迫しない範囲でIT化を進めることがポイントだ。まずは、タブレットやパソコンなどのハード面で、多額の費用がかかる。また、各専門科にパソコンを配置するほか、医師や看護師などの医療従事者一人ひとりにタブレットを配布するケースもある。勤務する医療従事者の人数が多いと、さらに費用がかさむことになる。また、電子カルテや管理業務のソフトを導入する場合にも費用が発生する。外部から侵入するウイルスを防ぐため、セキュリティ対策のソフトも購入すべきだ。病院でIT化を推進したいなら、費用の問題を克服し、予算を多めに確保する必要がある。

タブレットやパソコンなどを操作することに、苦手意識を持っている医療従事者は多い。特に年配の医療従事者は、端末機器の操作に不慣れな傾向がある。医療業界でIT化を進めたいのなら、医療従事者に教育の機会を提供する方法が有効だ。専門のインストラクターを招いてセミナーを開けば、効率的に端末機器の操作を学べる。理解しやすいようにインストラクターが教えるので、効果は非常に高い。重要なのは、定期的に教育の場を設けることだ。何度も繰り返して学ぶことによって、確実に技能が定着する。ただし、業務に支障が出ない範囲でセミナーを開くことが大切だ。各医療従事者の勤務シフトを参考にして、無理のないスケジュールを組むようにすれば負担にならない。